【不動産業界のM&A動向】後継者問題・事業承継を解説

事業承継・M&A

後継者問題、人口減少など事業承継について何かと世間の動きが気になりますが、様々な方法ですでに情報を集めている方も多いのではないでしょうか。そんな中、不動産業界としては事業承継を考える前に業界の動向を改めて押さえておく必要があると考えます。

今回は、不動産業界について業界の動向を解説していきますのでご参考にして頂ければと思います。

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業界の定義

土地や家屋、ビルなどの不動産について、売買、交換、賃貸、管理および、売買・交換・賃貸の管理、もしくは仲介を行う業種を不動産業といいます。

そのうち、「開発」「分譲」を行うものを”不動産ディベロッパー”と呼びます。

不動産ディベロッパーは、大規模な宅地造成やリゾート開発、都市などの再開発業、オフィスビルの建設やマンション分譲まで幅広く手掛ける企業が多いです。

最近はタワーマンションの開発が盛んです。通常、不動産は不動産仲介会社を通じて売買や賃貸借が行われます。賃貸借の管理は、管理会社が一手に引き受けるのが一般的とされています。

業界の特色

奈良時代以前、不動産は国家の所有物でした。奈良時代に入り、農地の増加を図るために荘園を開始したことが不動産(土地)の個人所有の始まりとされています。

その後、鎌倉時代から戦国時代を通じて、土地の所有者の再編が多く行われます。江戸時代には貸家経営が始まり、当時の貸家や貸地の所有者は商人や大地主でした。本格的に現代につながる法整備がなされたのは、明治時代です。

明治時代にフランスの民法を翻訳した際に「動産」と「不動産」がありました。明治時代は不動産の開発を三菱などの財閥が積極的に行い、不動産業界が徐々に盛んになっていきました。

特に電鉄と組んで駅とレールを敷き、その周辺に商業施設とベッドダウンをつくることが、戦前から戦後を通じて多く取られる不動産開発のスタンダードな方法となりました。

戦後、都心部を中心に道路と不動産の開発が進んだため、戦前のような道の狭い都市は減少しました。近年は沿線での開発が進んだこともあり、都心部でタワーマンションの開発が多くなっています。

また、リニア新幹線開通の決定によって、新駅周辺の不動産開発も進められています。

不動産業は、扱うものが高額であるがゆえ、景気に大きく左右される業界ちいえます。景気が良いときは、戸建てやマンションの売れ行きが好調になり、販売価格や家賃も上向きに変動します。首都圏の一等地などのオフィスビルや賃貸物件も人気が上がり、それらの賃料も上昇傾向になります。

今後は、東京オリンピック後に予想される不動産需要の変化や、人口減少による新築一戸建てへの需要減少などが見込まれ、不動産各社は対策を講じる必要があります。

業界の市場規模

不動産業界の業界規模は2011年から継続的な成長を続けており、2018年も業界規模は13兆9,200億円、前年比+6.8%と好調でした。これらの背景には、2012年の自民党による政権交代による施策が影響してます。

特に13年には消費税増税の駆け込み需要などがあったことから、個人向けの物件も売れ行きは好調となりました。2015年以降はさらに、東京都心部のオフィスビル賃貸の好調が起因し、業績はさらに拡大します。

特にオリンピックを前にしていることもあり、各社不動産大手企業は、東京都心部のオフィスビル需要の増加に応えるように丸の内、港区、八重洲、渋谷、虎ノ門などで不動産開発が盛んに進んでいます。

また、オリンピック後は厳しい状況が予想されるため、不動産大手企業は海外の経済成長をしている国に注目しています。インドや中国、インドネシア、ベトナム、フィリピン、カンボジアなど日本の周辺のアジア諸国は成長が予想されます。

市場環境の変化

不動産流通推進センターの調査によると、不動産業界の市場規模としては、この10年で右肩上がり、の傾向にあります。平成19年は不動産業界全体の売り上げは約37.1兆円でしたが、平成28年には約43.0兆円となっています。

また、不動産の法人数は、平成19年の294,330社から平成28年には321,361社と増加が見られます。特に資本金が1,000万円以下の規模の企業では、この10年で売上高の上昇は著しいです。

不動産業における、主な取引物件の割合としては、オフィス・住宅・商業・物流が取引額の80%を占めている状況が続いています。最近の市場変化としては、急激なインバウンドの需要の増加によって、ホテル投資が定着しつつあることが挙げられます。

一般消費者の動向としては、ここ数年は持ち家よりも賃貸物件への転居が増えている傾向がありいます。日本全体でみると空室率の向上が継続していて、今後も賃料は下がる傾向が続くと予想されています。

課題と展望

他の業界と並んで不動産業界においても人材不足が深刻化しています。その対策として、物件検索サポートをチャット簿っとが対応するなど、AIによる業務改善の動きが加速しています。

不動産売買や賃貸借における、価格の算定の面でも同様にAIが注目を集めています。価格算定には、非常に多くの情報が必要で、不動産価値だけでなく、周辺情報、公示価格などを元に価格決定がされます。

これまで価格算定を担当者に任せることが多く、人依存の体制でした。過去の販売価格や販売数、賃貸不動産における家賃など、多くの不動産情報を含むビッグデータを使い、AIによって価格を算出することで、人材不足解消に取り組む動きも見られています。

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不動産業界のM&A動向

不動産業界のM&Aは、2018年に208件を記録しています。2000年以降では過去最高の件数となりました。その理由として不動産業界も他の業界と同じように、後継者問題の深刻化していることにあると考えます。

後継者問題の解決にM&Aを実施検討する企業は、全体として増加傾向にあります。また、2015年までは大企業による異業種間のM&Aが多かったですが、2018年以降は、業界全体が縮小しているためか、同業種間のM&Aが増加している傾向にあります。

以下に少し事例を紹介します。

2017年の不動産業界のM&A事例

建設大手の大林組は、将来的な市場縮小や公共投資への減少や、人手不足対策のため、もともと連結子会社だった大林道路株式会社を完全子会社としました。グループ全体の事業効率を上げ、グループ各社の収益力の向上を図ることが狙いと見られます。

2015年の不動産業界のM&A事例

大手住宅メーカー・株式会社積水ハウスでは、鳳ホールディングス株式会社を持分法適用関連会社として、親会社とな鴻池組との業務提携を行うことを発表しました。施行費用などのコスト削減による、利益率の向上が狙いと見られます。

また、株式会社長谷工コーポレーションは、株式会社総合地所を子会社化しました。不動産分譲事業、不動産ソリューション事業、マンション管理事業を展開する会社です。長谷工グループの施工実績と総合地所のデベロッパーとして顧客に関わってきた経験ノウハウが融合されることが狙いと見られます。

無料相談で現状を整理する

こういった業界の動向から、刻々と事業承継につて動きを見せている企業が増加しています。オーナー経営者の高齢化を背景に、事業を次世代に承継する手法として、主に中堅・中小企業のオーナー企業に対してM&Aという選択肢がメジャーになってきたことを考えると、少しでも早く専門家に相談することが一歩ではないでしょうか。

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